2026-10-19
ファッションブランドは「服」ではなく「世界観」を売る──TikTokで進む“ミニ宇宙”戦略
欧米の大手アパレルブランドのSNS戦略が、ここ数週間でわかりやすく変化しています。米ライトリール社の最新レポートによると、10月中旬のTikTok・Instagramでは「新作アイテムの紹介」よりも、「その服が存在する架空の世界」をセットで見せるコンテンツが伸びているとのことです。例えばカナダ発ブランドAritziaはダウンジャケットを“キャラクター化”し、アニメ風マスコットがキーホルダーや店舗ディスプレイにまで展開される物語として発信。中国系ブランドCiderはゴシック調の“Spellbound”コレクションを、歴史的建造物を舞台にした恋愛ドラマ風ショート動画として見せています。
こうした「ミニドラマ付き商品紹介」は、ZARAやH&Mなどマスブランドにも波及。TikTokでは、商品はあくまで登場人物の一部であり、視聴者は“その世界に参加したいかどうか”で購買を判断する流れが生まれつつあります。一方で、レポートは「シネマティックな物語だからといって、必ずしも再生数が跳ねるわけではない」とも指摘。短期的なバズというより、ブランドの“世界観ストック”を蓄積する長期戦略として活用されているのが特徴です。