2026-08-23
「サイレント・サパークラブ」が北米で人気に──静かに食べる“社交の場”という逆転発想
北米の一部都市で、若い大人を中心に話題になっているのが「サイレント・サパークラブ(Silent Supper Club)」と呼ばれる食事イベントです。名前の通り、参加者は1〜2時間ほど、ほぼ一言も話さずにコース料理やヴィーガンプレートを味わうというもの。スマホも基本的に禁止で、「ただ一緒の空間で静かに食べること」に価値を置く、新しい社交スタイルとして注目されています。
米メディアのトレンド欄やライフスタイル系ニュースレターでは、ニューヨークやロサンゼルス、トロントなどで開催される小規模ディナーの様子が紹介されています。会場はレストランの貸し切りスペースやポップアップ型のダイニング。入場時に簡単なレクチャーを受け、席に着いたら会話はNG。代わりに、テーブルには小さなメモカードやペンが置かれ、どうしても伝えたいことがあればメモでやりとりする仕組みです。
背景には、コロナ禍以降に加速した「常時オンライン疲れ」や、食事中もSNSの通知に追われるストレスがあります。主催者は、「一人で食べる孤独」と「騒がしすぎる飲み会」の中間として、静かな共同体験を提案。参加者からは「他人の存在を感じながら、自分の感覚に集中できる」「初対面なのに不思議な連帯感が生まれる」といった声が上がっています。
日本にも黙食(もくしょく)や一人焼肉など、“静かに食べる”文化はありますが、それをあえて「社交イベント」として売り出す動きはまだ少数派です。今後、都市部のポップアップレストランやウェルネス文脈で、似たコンセプトのイベントが出てくる可能性もありそうです。