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2026-08-23

監視カメラが“自撮りスタジオ”に? 欧米で広がる「サーベイランス・シック」コンテンツ文化

欧米のSNS、とくにTikTokやInstagramで最近じわじわ広がっているのが「サーベイランス・シック(Surveillance chic)」という新しいコンテンツ文化です。自宅のドアベル型防犯カメラやエレベーター、レジの監視モニターなど、本来は“監視するため”の映像を、あえてファッション撮影やセルフィー(自撮り)に使う動きが若い世代の間で増えています。

英市場調査会社Foresight Factoryは8月のトレンド分析の中で、この現象を「監視文化を自覚的にネタ化しつつも、同時に“憧れの映像美”として消費している」と指摘。ニューヨークのデザイナー Ruby Lin 氏は、玄関の防犯カメラで撮った “今日のコーデ(OOTD)” を「担当のFBI捜査官へ」といった皮肉キャプション付きで投稿し、人気を集めています。一方で、ハーバード大学バークマン・クライン・センター所属の研究者 Judith Donath 氏は、「監視の問題点を問い直すどころか、むしろ心地よく感じさせてしまう危うさがある」と警鐘を鳴らします。

カナダの公共ラジオCBCのポッドキャストでも、顔認証対応のスマートグラスや、米IT企業Palantir(移民当局向け監視ソフトでも知られる)がファッション性の高い限定グッズを出す動きなどを取り上げ、「ビッグテックの監視とストリートファッションが奇妙に融合した」と解説。SNSでは、エレベーターの天井カメラで撮った魚眼レンズ風のポートレートを“味のある写真”として楽しむ投稿も増えています。

プライバシー不安が高まる一方で、若者の一部は「どうせ見られているなら、映り方は自分で決める」という逆手の取り方をしているとも言えそうです。日本でもスマートドアベルや街中のカメラは増えていますが、それを“映える背景”として使う発想はまだ主流ではありません。監視社会と自己表現の境界がどこまで許容されるのか――欧米発のこのミクロトレンドは、今後の議論の試金石になりそうです。

元記事: Gen Z & protest memes, net-zero trade-offs and the surveillance backlash: August 2026 cultural and consumer trends