2026-10-09
マーズの空に「長さ1600kmの雲」が毎日ニョキッ 地球ではありえない“謎の物理”
火星探査の画像をよく見ると、赤茶色の地面だけでなく、ときどき“雲”が写っています。とはいえ、ふわふわの積雲ではありません。最近の観測で、なんと全長約1000マイル(約1600km)にもおよぶ、ウナギのように細長い雲が、ほぼ毎日あらわれては消えていることが分かりました。しかも、その成り立ちは「地球には存在しないタイプの物理現象」だというのです。
この雲は、火星の巨大火山アルシア山の近くで、夜明け前にすっとあらわれ、朝日が高くなるころには跡形もなく消えてしまいます。研究チームによると、上空の冷たい空気と、山を越える風、そして火星特有の薄い大気が絶妙に組み合わさって、ものすごく細長く伸びた“レンズ状の雲”ができているらしいのですが、その詳しいメカニズムはまだ研究の真っ最中です。
地球でも「吊るし雲」などの山岳波雲ができますが、せいぜい数十km規模。それに比べて火星の雲はケタ違いで、衛星写真で見ると、まるで惑星を横断する白いスジのように見えます。しかもこれが、火星の季節のある時期には、ほぼ毎日同じ場所に現れる“日課のような現象”になっているそうです。
火星の雲を調べることは、将来の有人探査の天気予報にも役立ちますし、「他の惑星の大気はどんなふるまいをするのか」という、惑星科学の基本的な疑問にもつながります。火星の空でニョロニョロと伸びる巨大な雲を想像すると、ちょっとSFアニメの世界みたいですよね。
もし火星に展望台ができたら、この“毎朝のスーパーロング雲ショー”、一度は生で見てみたいと思いませんか?