2026-10-07
DNA二重らせんの“ほんとのヒロイン”?ロザリンド・フランクリン再評価の新説
生物の教科書で必ず出てくる「DNAの二重らせん構造」。一般的には、ワトソンとクリックという2人の研究者が1953年に構造を解き明かした、と習った人が多いと思います。でも最近、「実は、その前にロザリンド・フランクリンという女性研究者が、かなり核心に近いところまで到達していたのでは?」という再評価を裏付ける新たな研究が発表されました。
フランクリンはイギリスのX線結晶学者で、DNAにX線を当ててできる“ぼやっとした模様”から分子構造を推理する、という気の遠くなるような作業をしていました。彼女の有名な「写真51」と呼ばれるX線写真は、二重らせん構造の決め手になったと言われていますが、これまでは「ワトソンとクリックが、フランクリンの許可なくそのデータを参考にした」という“陰の立役者”扱いが強かったのです。
今回発表された歴史研究では、フランクリンのノートやドラフト論文、同僚との手紙を細かく再検証。その結果、彼女自身がDNAがらせん構造であること、リン酸骨格(DNAの“柱”となる部分)が外側にあることなど、現代のモデルとほぼ一致する発想にすでに到達していた可能性が高い、と主張しています。つまり、「単にデータを集めただけ」ではなく、構造の解釈という点でも、かなり先頭を走っていたかもしれないというわけです。
もちろん、科学の発見はチーム戦で、誰か一人の手柄に整理し直すのは簡単ではありません。ただ、戦後の男性中心だった科学界で、女性研究者の貢献が過小評価されてきたのは事実と言われています。今回の再検証は、歴史の教科書の“余白”にいた人物を、もう少しちゃんと表舞台に連れ出そうとする試みとも言えそうです。
もしあなたが教科書を書き直せるとしたら、DNA発見の物語をどう描き替えたいですか?