2026-09-28
小惑星ベンヌは「木星のあたりで生まれた?」 4.5億年どころじゃない“太陽系の記憶装置”
NASAの探査機OSIRIS-REx(オシリス・レックス)が地球に持ち帰った小惑星ベンヌのサンプルから、「この天体の親元は木星の軌道付近だったらしい」という新しいシナリオが浮かび上がってきました。ベンヌは地球スレスレを回る小さな小惑星ですが、そのルーツは太陽系のかなり外側にあるようです。
スイスETHチューリッヒの研究チームは、ベンヌの砂つぶに含まれる鉄・チタン・クロムなどの同位体(原子の“バリエーション”)を精密に測定。そのパターンを、他の小惑星探査機「はやぶさ2」が持ち帰ったリュウグウや、地球に落ちてきた隕石のデータと比較しました。
すると、ベンヌ・リュウグウ・ある種の隕石は、どれも「水の氷ができる境目(スノーライン)」と呼ばれる、ちょうど木星付近で作られた物質の特徴を共有していることが判明。若いころの木星が“フィルター”のように働き、内側と外側の宇宙のチリをかき混ぜて、そのあたりにベンヌたちの親天体が形成された、というストーリーが提案されています。
つまり、ベンヌの砂は、太陽系誕生直後の“ミックスジュース状態”をそのまま保存したタイムカプセルのようなもの。地球のような岩石惑星がどんな材料で作られたのかを知るうえで、非常に貴重な手がかりになっています。
夜空にきらっと光る小さな点の裏側に、こんな壮大な“家系図”が隠れていると聞くと、宇宙が一気に身近に感じられませんか?
元記事: OSIRIS-REx samples place Bennu’s parent near Jupiter’s water-ice line