2026-09-21
AIに「病理医の考え方」を教えてみたら…がん探しがうまくなったという話
顕微鏡で細胞をじっと観察し、「これはがんか、それとも正常か」を見分ける専門医を「病理医(びょうりい)」といいます。最近では、この仕事の一部をAI(人工知能)に任せようという試みが世界中で進んでいますが、最新の研究で「人間の病理医の“考え方”をマネさせると、AIの成績が上がる」という結果が報告されました。
従来のAIは、スライドガラス一面の画像を細かい“コマ”に切り分けて、一気にパターンを学習することが多くありました。しかし、人間の病理医はそんな見方はしません。まず低倍率で全体をざっと見て「あやしいエリア」を探し、気になるところだけ拡大してじっくり観察します。研究チームは、このプロセスを「Chain of Thought(チェーン・オブ・ソート=思考の連鎖)」としてAIに組み込むことにしました。
具体的には、熟練病理医がスライドをどの順番で見て、どこで立ち止まり、どんなポイントに注目しているかをデータ化し、その“視線の動き”をAIに学習させます。すると、AIは単に画像のパターンを覚えるだけでなく、「まず全体像をチェックしてから、怪しそうな部分をズームインする」という、人間らしい探索スタイルをとるようになりました。
その結果、この「Pathology-CoT」と呼ばれる手法を使ったAIは、従来型のAIよりも高い精度でがんを見つけられたといいます。もちろん、これで人間の病理医が不要になるわけではなく、「どこを見るべきかをサポートする相棒」的な役割が想定されています。
AIに“答え”だけでなく“考え方”まで教えるという発想は、医療だけでなく教育やものづくりにも広がっていきそうです。あなたは、どんな仕事に「考え方を学習したAIアシスタント」がいてくれたら便利だと思いますか?
元記事: AI trained to 'think' like human pathologists may be better at spotting cancer