2026-09-20
火山の噴煙が「メタンを食べていた」? フンガ・トンガ噴火がもたらした意外な“浄化作用”
2022年に南太平洋で起きたフンガ・トンガ火山の大噴火は、観測史上最大級の水蒸気とガスを成層圏に送り込み、「気候への悪影響」が心配されてきました。ところが最新研究によると、この噴火に伴う化学反応の一部が、温室効果ガスであるメタンを予想外に分解していた可能性がある、というのです。
メタンは、二酸化炭素よりも強力な温室効果を持つガスで、家畜のげっぷや天然ガスの漏れなど、さまざまなところから排出されています。今回の研究では、フンガ・トンガ噴火のあと、大気中のメタン濃度が一部の高度で通常とは違う変化を見せていることが衛星データなどから判明しました。研究チームは、噴煙に含まれる成分が、太陽光や大気中の成分と反応して“メタンを壊す化学ルート”を作り出したのではないかと見ています。
もちろん、「火山が地球温暖化を解決してくれる!」という話ではありません。噴火がもたらす被害やほかのガスの放出、気候への長期的影響を考えると、プラスとマイナスを単純に比べられるものではないからです。それでも、これまで見逃されていた大気の“自己修復力”の一端が示されたことで、メタンの将来予測モデルを見直す必要が出てきそうだと研究者たちは話しています。
興味深いのは、このメカニズムを人工的にまねして、メタンを効率よく分解する技術につなげられないか、という発想です。たとえば、噴煙のような化学環境を小さな装置の中で再現できれば、牧場やごみ処分場など、メタンが大量に出る場所で“メタン消しゴム”として使えるかもしれません。
自然が偶然つくり出した「ガス浄化の実験装置」から、人間がどこまで学びとれるのか。火山の噴煙の中にも、まだまだ技術のヒントが眠っていそうですね。
元記事: Scientists Stunned as Volcano Cloud Starts Destroying Methane