2026-09-17
パルテノン神殿の“だまし絵建築”は都市伝説? 英数学者が検証してみたら
ギリシャ・アテネのパルテノン神殿といえば、「まっすぐな柱に見えるけど、実は微妙に曲がっていて、人間の目の錯覚を補正している」という有名ネタがあります。世界史や美術の本でも「古代ギリシャの究極の光学設計」として紹介されがちですが、最新の数学的解析によると、「そこまで精密な“錯視補正”ではなさそう」という結果が出ました。
研究をおこなったのは英国の数学者チーム。3Dスキャンなどで神殿の寸法を高精度で測り、コンピューター上で「完全にまっすぐな神殿」と「実際の少し曲がった神殿」を見比べるモデルを作成しました。ポイントは、床のわずかなふくらみ(スタイロベートの湾曲)や、柱の中央が少し太くなる「エンタシス」と呼ばれるデザインが、本当に“目の錯覚を打ち消すため”に計算されているのかどうかです。
解析の結果、確かにパルテノン神殿には微妙なカーブや傾きが多数組み込まれていましたが、それらを全部まとめても、「人間の目の錯視を完全に補正する」ほどの精度はなかったとのこと。むしろ、視覚的な印象を豊かにしたり、構造的な安定性を高めたり、といった複数の目的が混ざっていた可能性が高いと研究者は見ています。
つまり、「古代ギリシャ人が人間の視覚を完全解析してミリ単位で補正していた」というのは、少しロマンを盛りすぎた現代側の解釈かもしれないというわけです。ただし、2000年以上前にここまで複雑な曲線を建物に組み込んだ事実自体はやはり驚き。科学の目で検証することで、逆に当時の職人の感覚の鋭さが浮き彫りになったとも言えそうです。
あなたは、伝説たっぷりの建築と、科学的に冷静に見直された建築、どちらのパルテノンが好きですか?
元記事: UK mathematician debunks myth around Parthenon’s optical illusions