2026-09-02
脳は“トカゲの上に人間が乗ってる”んじゃなかった? 進化モデルがごっそり書き換わるかも
心理学や自己啓発の本でよく出てくる「人間の脳は、古いトカゲ脳の上に新しい理性の層が積み重なっている」という話、聞いたことはありませんか? いわゆる「三位一体脳(triune brain)」モデルと呼ばれる考え方です。ところが最新研究によると、この“おなじみ説”はかなりズレている可能性が高いことが分かってきました。
研究チームは、さまざまな動物種の脳を詳しく比較し、「本当に“原始的なトカゲ脳”の上に、あとから“哺乳類の脳”“人間の脳”が乗っかってきたのか?」を調べました。その結果見えてきたのは、きれいな“積み木構造”ではなく、もっと入り組んだ「リフォームだらけの家」のような姿。壁をぶち抜いたり、配線を引き直したりしながら、同じ部屋を何度も作り替えてきた──そんな進化の軌跡だったそうです。
たとえば、感情をつかさどるとされてきた「辺縁系(へんえんけい)」と、理性的な判断をする「大脳皮質(だいのうひしつ)」は、はっきり分かれた“新旧”ではなく、お互いに深くつながり合っていて、両方とも進化の過程で少しずつ形を変えながら発達してきたとのこと。つまり、「感情を抑えつける理性」といった単純な対立構造では説明しきれないのです。
この研究は、脳科学の教科書を書き換えるレベルのインパクトがありますが、私たちの日常感覚にもじわっと効いてきます。「つい感情的になってしまうのはトカゲ脳のせい」といった流行フレーズは、分かりやすいけれど、実際の脳のはたらきをかなり単純化しすぎていたのかもしれません。
もちろん、「三位一体脳」のたとえ話そのものが完全NGというわけではありません。でも、「脳はもっと複雑で、感情も理性も同じ家のリフォーム仲間」と知っているだけで、自分や他人の“心のクセ”の見え方が少し変わってきそうです。あなたは、この新しい脳の見方、しっくりきますか?
元記事: Brain’s evolution is not a layered ‘lizard brain’ topped with rational cortex, study finds