2026-08-30
1,000人に「パンツを土に埋めてください」と頼んだスイスの科学者たち
スイスで、ちょっとシュールな市民参加型プロジェクトが行われました。研究者たちが一般の人にお願いしたのは、「新品の綿のパンツ(下着)を庭や畑に埋めてください」というもの。1,000人以上のボランティアが参加し、合計2,000枚以上のコットンパンツと1万2,000個のティーバッグが、スイス各地の土の中に消えていきました。
目的は、土の中の“生き物パワー”を調べること。綿(コットン)は植物由来の繊維なので、土の中でバクテリアやカビ、ミミズなどに分解されていきます。つまり、「パンツがどれくらいボロボロになったか」を見ることで、その場所の土の中でどれだけ生物活動が活発か、ざっくり測れるわけです。プロジェクト名は「Proof by Underpants(パンツによる証拠)」という、ちょっとふざけたようなタイトルですが、主催しているのはチューリヒ大学とスイスの農業研究機関Agroscopeという、ガチの研究チーム。
2か月後、参加者たちはパンツとティーバッグを掘り出し、写真を撮って研究所に送り返しました。結果、もっとも分解が速かったのは「家庭の庭」の土。落ち葉や生ごみ堆肥などが入り、有機物が多いせいか、微生物たちが大活躍してパンツはボロ布状態に。一方、意外にもいちばん“元気がなかった”のは芝生の下。きれいに刈りそろえられた芝生は見た目は美しいものの、土の中の生きものにとってはあまり居心地が良くない環境になりがちだと分かりました。
研究者は「土の健康は、農業だけでなく洪水や干ばつ、気候変動への耐性とも関係する」と指摘します。パンツ実験はちょっと笑える話ですが、「足もとにある土をもっと大事にしてほしい」という真面目なメッセージ付きのキャンペーンでもあるのです。
あなたの庭やベランダのプランターでも、“パンツ実験”をやってみたくなりませんか?
元記事: Why scientists asked 1,000 people to bury their underwear