2026-08-25
「赤いラズベリーだけ完食」の謎 鳥たちが黄ラズベリーを無視する理由
家庭菜園やスーパーで見かけるラズベリーといえば赤い実が定番ですが、実は黄色い品種もあります。ところが、ある研究チームが畑で観察すると、「赤い実だけが鳥に食べられて、黄色いラズベリーはほとんど残っている」という、ちょっと不思議な光景が続いたそうです。
インドなどの研究者による新しい論文は、この“色によるえこひいき”の理由を探りました。彼らは、野鳥が飛んでくる環境で、赤と黄色のラズベリーを並べて置き、どちらがどのくらい食べられるかを記録。あわせて、鳥の視覚のしくみについても解析しました。鳥は人間と違い、紫外線も見える4種類以上の色覚を持つ種が多く、私たちとは「色の世界」がかなり違います。
実験の結果、鳥たちは圧倒的に赤いラズベリーを選ぶことが判明。一方で、黄色い実は、背景の葉っぱや枝にまぎれやすく、「あまり目立たない色」として映っている可能性が高いことが示されました。つまり黄色い実は、鳥の目には“カモフラージュ色”になっているわけです。
進化の観点からみると、これは面白いジレンマです。植物にとって、種を遠くまで運んでくれる鳥に食べてもらうことはメリット。一方で、あまり食べられすぎると、自分が増える前にやられてしまいます。色を変えることで「目立つ実」と「目立たない実」を作り分けるのは、そのバランス調整の一つかもしれない、と研究者たちは解説しています。
庭木やベランダで実がなる植物を育てている方は、赤い実と黄色い実で鳥の反応を観察してみると、ちょっとした“進化実験”ができるかもしれません。あなたなら、鳥に食べてもらいたい実は何色にしますか?