2026-08-21
“油をためこむ酵母”で飛行機が飛ぶ?次世代バイオジェット燃料の新候補
ビールやパン作りに欠かせない「酵母(イースト菌)」が、こんどは飛行機の燃料づくりで脚光を浴びています。アメリカのエネルギー省の研究チームが、「油をためこむのが得意な特殊な酵母」を使って、次世代バイオジェット燃料の原料となる物質を作ることに成功したと発表しました。
今回の主役は、**Rhodosporidium toruloides(ロドスポリジウム・トルロイデス)**という聞き慣れない酵母。普通のパン酵母よりも、細胞の中に油(脂質)をたっぷり貯め込める性質を持っています。研究チームはこの酵母の遺伝子を組み替え、「アイソプレノール(isoprenol)」という化学物質を作る経路を組み込むことに成功しました。アイソプレノールは、燃焼効率の高い合成ジェット燃料の“タネ”になる物質です。
これまで、バイオ由来のジェット燃料はトウモロコシや植物油などを使って作ろうとする試みが多くありましたが、コストや効率の面で課題がありました。今回の酵母は、サトウキビやモロコシ由来の糖分など、比較的安価な原料からアイソプレノールを生産できるポテンシャルがあるといいます。
現時点では、研究室スケールでの実験なので、1リットルの培養液からほんのわずかな量しか取れません。しかし論文では、「どこにボトルネック(生産の詰まり)があるか」も詳しく解析しており、今後の改良の道筋も示されています。将来的には、大型タンクでこの酵母を育て、大量のジェット燃料を生み出す“燃料工場”にできるかもしれません。
もちろん、バイオ燃料にも土地利用やCO2バランスなどの課題はありますが、「飛行機の燃料を酵母が作る」という発想はなかなかワクワクしますよね。もしあなたが飛行機に乗るとき、「このジェット燃料、実は酵母が作りました」と言われたら、ちょっと乗り心地の印象も変わりそうでしょうか?
元記事: An Oil-Accumulating Yeast Could Help Make Next-Generation Aviation Fuels