2026-08-19
スマホより“望遠鏡アプリ”?ドイツの学生チームが「勝手に回る気球」で日食撮影に成功
ドイツ北部オルデンブルクで、この夏ちょっと変わった日食観測が行われました。使われたのは巨大な天文台でも高価なロケットでもなく、「自由にクルクル回るただの気球」。しかもカメラは、市販のアクションカメラ「Insta360」を2台くくりつけただけ──という、かなりラフな装備です。
観測対象は、2026年8月12日にヨーロッパで見られた部分日食。チームは高度数十キロまで飛ぶ高高度気球を打ち上げ、10秒ごとに空をパシャパシャ撮影させました。気球には姿勢制御(向きを安定させる装置)が付いておらず、風任せでクルクル回っているので、「太陽がちゃんと写るのか?」というツッコミどころ満載の計画です。
ところが、1300枚近い画像のうち21枚に、きれいに欠けた太陽がバッチリ写り込みました。研究チームは、その小さな太陽の形をコンピュータで解析し、どれくらい欠けているか(被覆率)を数値で再現することに成功。理論的に計算される日食の進行と比べると、かなりいい線で一致していたそうです。
もちろん、専門の太陽望遠鏡と比べれば精度は落ちます。レンズのゆがみや、即席で作った減光フィルター、カメラごとのクセなど、誤差の原因もたくさん挙げられました。ただ、「それでもここまで測れる」というのがこの実験のポイント。高価な追尾装置を使わなくても、安価な民生用カメラと気球だけで“そこそこちゃんとした”日食データが取れると示した意義は大きい、と研究者たちは述べています。
将来は、同じ仕組みをもっとしっかり校正して、皆既日食(太陽が完全に隠れるタイプ)の観測に応用したいとのこと。あなたも次の日食では、空に浮かぶ“なんちゃって観測所”を探してみたくなりませんか?