2026-08-02
世界一高い滝はナイアガラでもエンジェルフォールでもなく「海の底」にあった
「世界一高い滝は?」と聞かれたら、多くの人は南米ベネズエラのエンジェルフォールを思い浮かべるかもしれません。高さおよそ979メートル、単独の落差でも800メートル以上ある、あの有名な滝です。ところが最近あらためて紹介されて話題になっているのが、「じつはもっと桁違いに高い“滝”がある」という話。それも場所はグリーンランドとアイスランドのあいだ、デンマーク海峡の海の底なのです。
この「デンマーク海峡カタラクト」と呼ばれる巨大な水の流れは、高さにして約3500メートル(1万1500フィート)。エンジェルフォールの約3倍というとんでもないスケールです。しかも、そこを流れ落ちる水の量は、毎秒およそ320万立方メートル。これは、世界最大級の川であるアマゾン川が海に流れ込む水量をも上回ると言われています。
では、どうしてそんな“海底の滝”ができるのでしょうか。ポイントは「水の温度と重さ」です。北の海で冷やされ、塩分も高くなった重い海水が、比較的あたたかくて軽い海水の下にもぐりこみ、海底の起伏(きふく)に沿って深いほうへと流れ落ちていきます。この“冷たい水の大滑り台”が、滝にたとえられているわけですね。もちろん、ナイアガラのように水しぶきが上がるわけではなく、観光で肉眼に見えるものではありません。
それでも、この見えない大滝は、北大西洋の海流を動かし、地球規模の気候にも影響を与えていると考えられています。私たちが空から見ている“普通の海”の下で、こんなダイナミックな現象がこっそり進行していると思うと、海ってやっぱり侮れないですね。