2026-08-02
五大湖の地下に「クマムシ&岩食いキノコ」の秘密世界があった
アメリカとカナダにまたがる五大湖(ごだいこ)の地下深くで、研究者たちがとんでもない“地下生物ワールド”を見つけました。舞台は湖そのものではなく、その下に広がる「アンティラム頁岩(Antrim Shale)」という古い岩の地層。ここに掘られたガス井から、数千年ものあいだ地表に出たことがない水滴を採取して、中にいる微生物を調べたところ…とんでもない結果が出たのです。
分析の結果、この極限環境から689種類もの真菌(カビやキノコの仲間)が見つかり、そのうち13種類は完全な新種だったとのこと。さらに、「クマムシ」と呼ばれる極限環境に強い微小動物や、岩の成分をエサにする“岩食いキノコ”、糸のような小さな虫なども確認されました。クマムシは、真空や高温・高線量にも耐える“最強生物”として、日本のネットでもたびたび話題になりますよね。
この地下水は、深さ約200〜500メートルのガス井から採られたもので、太陽光もほぼ届かず、栄養もかなり限られた、普通なら「ほとんど何もいなさそう」な場所です。それなのに、こんなに多様な生き物がひっそり暮らしている、というのが今回の驚きポイント。研究チームは、これらの微生物が岩石に含まれる有機物や鉱物を少しずつ“かじり取り”、長い時間をかけてエネルギーを得ていると考えています。
論文は微生物学の専門誌「ISME Journal」に掲載され、主著者のクイン・ムーンさん(ミシガン大学)は、「暗くて古くて隠れた世界だけれど、決して死んではいない」とコメントしています。こうした研究は、地球の地下生態系の理解だけでなく、「太陽光がほとんど届かない他の惑星・衛星にも生命がいるとしたら?」という、宇宙生物学(アストロバイオロジー)のヒントにもなるそうです。
私たちの足元のずっと下でも、想像以上ににぎやかな“生命の地下街”が広がっているとしたら…ちょっとワクワクしませんか?
元記事: The Great Lakes Are Hiding a Secret Underworld of Tardigrades and Rock-Eating Fungi