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2026-07-31

DNAを「粉々にしてがんを倒す」?ヘンテコ酵素を武器にする新CRISPR療法

遺伝子編集技術「CRISPR(クリスパー)」といえば、DNAを“ピンポイントで切る”精密さが売りですが、今回話題になっているのは、その逆。標的を見つけたらDNAを「とにかく滅多切りにする」暴れん坊タイプの酵素です。

この酵素は「Cas12a2」と呼ばれるバクテリア由来のタンパク質。研究者たちは最初、「他のCRISPRと同じように、特定の場所だけを切ってくれるだろう」と思って実験していました。ところが、思った通りに動かず、「たぶん試料が汚染されたんだろう」と疑ったほどの“問題児”ぶり。詳しく調べてみると、標的のRNA(※DNAの設計図のような分子)を見つけた瞬間、細胞のDNA全体を片っ端から切りまくってしまうことが判明しました。

普通に考えれば「そんな危険物、役に立たないのでは?」と思いますが、研究者たちは発想を逆転。「がん細胞だけをこの酵素に狙わせれば、がん細胞のDNAだけを粉々にできるかも」と考えたのです。実験では、がんの原因となる特定の遺伝子変異(TP53やKRASなど、“治療しにくい”ことで有名な変異)を認識するようプログラムし、その変異を持つ細胞だけを狙い撃ちすることに成功しました。

イメージとしては、「がん細胞専用の自爆スイッチ」を細胞の中に仕込むような感じ。標的となる変異のRNAを見つけたとたん、スイッチONでDNAがズタズタになり、細胞は自滅します。通常の抗がん剤のように、元気な細胞まで巻き込むリスクを減らせるかもしれない、という期待もあります。

もちろん、まだマウスなどでの前臨床段階で、人間で使えるようになるには時間がかかりますが、研究チームは2030年ごろに臨床試験(人への試験)を目指しているとのこと。暴れん坊酵素が、将来“頼れるがんキラー”に変身する日が来るかもしれません。

副作用や安全性など、乗り越えるハードルは多いですが、「性格の悪さ」を逆手に取って医療に活かす発想、ちょっとワクワクしませんか?

元記事: Bizarre CRISPR enzyme kills cancer cells by shredding their DNA