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2026-07-29

「もっと火をつけろ」が森を救う?ジャイアントセコイアを守る“逆転の発想”

アメリカ・カリフォルニア州のシエラネバダ山脈には、「ジャイアントセコイア」と呼ばれる世界最大級の木が林立しています。樹齢数千年、幹の太さは直径10メートル級という、まさに“森の巨人”です。しかし近年の巨大山火事で、そのかなりの数が焼けてしまい、「絶滅の危機では?」と心配されるようになりました。そんな中、「この木を守るには、むしろもっと“火”が必要だ」という、一見逆説的な研究結果が発表されました。

カリフォルニア大学デービス校などの研究チームは、2020年のCastle Fireと2021年のKNP Complex Fireという2つの大規模火災で被害を受けた19のセコイア林を調査。航空機からのレーザー測量(ライダー)や高解像度衛星画像を使い、約2万6400本のセコイアの生死と、周囲の森がどれだけ「事前に人為的な山焼き(prescribed burn)」を受けていたかを詳しく解析しました。

その結果、過去10年以内に計画的な山焼きが行われていたエリアでは、セコイアの死亡リスクが約77%も低くなっていたことが判明。ざっくり言うと、「事前に少しずつ安全な火を入れておいた森」のセコイアは、そうでない森に比べて約4倍生き残りやすかった、という計算になります。研究者たちは、この処置によって少なくとも約1900本の古木が救われたと推定し、「もしすべての林で同様の対策がされていれば、さらに数千本は守れたはずだ」と指摘します。

もともとジャイアントセコイアは、厚い樹皮と高い枝のおかげで、自然の山火事にかなり強い樹種です。むしろ、火によって周りの下草や枯れ木が片づき、種が発芽しやすくなる“火好き”の木でもあります。ところが人間が長年「火は全部消すべき」と考えてきた結果、森の中に燃えやすいものが溜まり、ひとたび火がつくと制御不能の大火事になってしまう——という、なんとも皮肉な状況が生まれていたわけです。

もちろん、計画的な山焼きには細心の注意と経験が必要で、どこでも真似できる簡単な対策ではありません。それでも、「火を完全に排除するより、うまく共存させたほうが森も木も人も安全になる」という考え方は、日本の里山管理にも通じるところがありそうです。

あなたの身の回りにも、「一見こわいけれど、うまく付き合ったほうが結局は安全」というもの、なにか思い当たりますか?

元記事: The best way to save giant sequoias may be more fire