2026-07-22
“幻のクジラ”のお腹から、新種の細菌がゴロゴロ 深海ミステリーがさらに深まる
研究者ですらめったにお目にかかれないコビトマッコウクジラというクジラがいます。体長は3メートル前後と小型で、深い海の遠く沖合でひっそり暮らしているため、「海で一番謎に包まれたクジラ」とも言われてきました。
アメリカ・フロリダ州の海岸では、過去数十年のあいだに座礁して打ち上がったコビトマッコウクジラが、研究目的で詳しく調べられてきました。今回、その長年のデータをまとめた結果、クジラの胃の中からヘリコバクター属という細菌の、新種がなんと3種類も見つかったと報告されています。
ヘリコバクターと聞いてピンと来た方もいるかもしれません。人間ではピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)が胃にすみつき、胃潰瘍などの原因になることで有名です。つまり、クジラ版ピロリ菌の“親戚”のような細菌が、深海のクジラの胃にもいた、というイメージです。
研究チームによると、コビトマッコウクジラは普段から深海のイカや魚を食べており、この食生活や生活環境が、独特の胃の細菌コミュニティを育てている可能性があるとのこと。また、これらの細菌がクジラの健康にどんな影響を与えているのかは、まだよくわかっていません。
海の食物連鎖や環境は、人間の活動の影響も受けてどんどん変わっています。クジラの体の中にいる細菌を調べることで、**海洋生態系の“健康診断”**にも役立つかもしれないと、研究者たちは期待しています。
深海でひっそり暮らすクジラたちのお腹の中に、まだまだ知らない生き物が隠れていると思うと、ちょっとワクワクしませんか?
元記事: Scientists found mystery bacteria inside one of the ocean’s most elusive whales