2026-07-21
VRで「翼」を生やしたら脳が本気にした?バーチャル飛行訓練で身体感覚が変化
もしVR(仮想現実)の世界で、自分の背中に翼が生えたら──あなたの脳はそれを「自分の体の一部」だと信じてしまうのでしょうか。そんな疑問に、実験で挑んだ研究が話題になっています。
研究チームは、参加者にゴーグル型のVR機器を装着してもらい、画面の中の自分のアバターに大きな翼を付けました。参加者は、腕を動かすと翼が羽ばたくように連動するシステムのもと、「飛ぶ」練習を繰り返します。いわば「人間用・バーチャル飛行教習所」です。
数日間トレーニングをした後、研究者たちは脳の活動パターンを詳しく測定しました。すると驚くべきことに、翼を動かすときの脳の反応が、普通に腕や足を動かすときと似たパターンになっていたのです。つまり、脳が「これはただのゲームのエフェクト」ではなく、「自分の体の一部としての“翼”」をある程度受け入れ始めている可能性が示されました。
この結果は、リハビリや義手・義足(人工の手足)の分野にも応用できるかもしれません。たとえば、失った手の代わりに“第三の腕”を操作するとき、VRトレーニングを通じて脳に「これはあなたの体ですよ」と学習させる、といった使い方が考えられます。
人間の身体感覚は意外と柔軟で、「鏡に映る像」や「VRのアバター」もあっさり自分だと信じてしまうことが、これまでの研究でも分かってきました。今回の研究は、その一歩先、「本来ありえない体のパーツ」まで飲み込んでしまう脳の適応力を示した形です。
もし安全に“空を飛べるVR教習所”が近所にできたら、あなたは通ってみたいですか?
元記事: Virtual wings become part of the body in people’s brains