2026-08-01
ドイツ、AI規制実施法が成立 銀行・保険のリスク管理が本格的にAI時代へ
ドイツ政府は2026年7月24日付で「AI規則実施法」(EUのAI規則を国内法に落とし込む法律)を公布し、金融機関によるAI活用の監督体制が本格的なフェーズに入った。欧州連合のAI規則(いわゆるAI法)に基づき、高リスクAIシステムを扱う銀行や保険会社は、モデルごとのリスク評価や説明可能性、⻑期的なモニタリング体制を整えることが求められる。
ドイツ金融監督庁BaFinは、AIシステムが既存のリスク管理・コンプライアンス規則のどこに位置付けられるかを整理したガイダンスを公表し、クレジットスコアリングや不正検知といったアルゴリズムも「高リスク」とみなされ得ると指摘した。これにより、従来はIT部門任せだったAIモデル運用が、経営層やリスク管理部門の責任範囲として明確化される。
一方で、業界からは「イノベーションを阻害しかねない」との声も出ている。膨大なログ保存や第三者検証のコストが中小金融機関には重荷となる可能性があるためだ。とはいえ、欧州最大級の金融市場でルールが確立したことで、他国の監督当局や国際金融グループが追随する動きも予想される。AIを使った与信判断や保険引き受けが世界的に広がるなか、ドイツ発の監督モデルが一つのベンチマークになりそうだ。
元記事: BaFin supervision of AI systems: A regulatory classification for banks and insurers