2026-07-23
マレーシア、包括的AIガバナンス法へ始動 7月中に全国ヒアリング
マレーシアのデジタル省は2026年7月10日、人工知能(AI)ガバナンス法案の策定に向け、7月いっぱいを通じた関係者との意見交換(エンゲージメント)を開始すると発表しました。担当は国家AIオフィス(NAIO)で、産業界、専門家、一般市民から広く意見を集める方針です。
同国が目指すのは、「バランスが取れ、実務的で、将来にも耐えうる(future proof)」AIガバナンス枠組み。EUのAI法や米国の国家AI戦略など、既存の国際的ルールを意識しつつも、自国のデジタル産業振興と倫理・安全性の両立を図るとしています。具体的には、顔認識や信用スコアといった高リスク用途に対する規制のあり方、データ保護とAI産業育成のバランス、そして中小企業が負担過大にならない制度設計などが論点になるとみられます。
ASEAN地域では、シンガポールやインドネシアなどがすでにAI原則やガイドラインを公表しており、マレーシアも追随する形です。多言語・多民族国家として、AIがもたらす偏見や差別のリスク管理も重要テーマになる可能性があります。今回の動きは、グローバルサウス(新興国)でも本格的なAIルールづくりが進み始めたことを示す一例と言えるでしょう。